小型船舶の家電事情|電源なしでどうする?

Merry Fisher 895 Sportが屋内ヤードで艤装中

小型船舶(以下、船)での家電事情は、キャンピングカーとほぼ同じで、基本的にそのままの家電は使えない。理由は、船のエンジン発電機やバッテリーが100V交流家電に対応していないからだ。

Contents

家電を使える環境とは?

外部から交流電源を引き込める環境があれば、家庭用の家電は問題なく使用できる。これはキャンピングカーならRVパークや一部のキャンプ場、船ならマリーナや停泊地に相当する。しかし、航行中や外部電源がない環境では、原則として家電の使用は難しい。

では、航行中に家電を使うにはどうすればよいのか?

船(航海中や陸電なし時)で家電を使う3つの方法

  1. バッテリー駆動の家電を使う
    キャンピングカー同様、船でもバッテリーで動く近似的な家電は良い選択肢となる。例えば、マキタのバッテリー式サーキュレーターや電子レンジ、ポータブル冷蔵庫などがある。
  2. ポータブル電源(ポタ電)を利用する
    大容量のポータブル電源があれば、短時間なら一般的な家電も使用可能だ。ただし、電子レンジやホットプレートのように消費電力の大きい機器は、ポタ電の性能によって使用時間が制限される。給電能力の指標やパススルー充電対応の有無をよく確認しないと、期待通りの結果が得られないことが多い。
  3. 発電機を搭載する
    発電機を積めば、交流100V家電がそのまま使える。船では水冷式の小型発電機も販売されているが、設置にはハルに穴を開ける必要があることがネックになる。加えて、燃料を積み増すことで重量増も避けられない。

発電機は稼働時に盛大な音を出すが、キャンピングカーと違い、周囲に他者がほとんどいない船では、騒音を気にせず使用できるのはありがたい点である。

船で役立つ家電は?

船上で「あったら便利」と思う家電には、次のようなものがある。

  • エアコン:車載用エアコンを転用するケースが多いが、発電機を搭載すれば家庭用エアコンの使用も可能。
  • 冷蔵庫:12V対応のプレジャーボート用製品が豊富に販売されている。
  • サーキュレーター:空気を循環させ、夏場の暑さ対策に有効。
  • 湯沸かしポット:船上でお湯を沸かせると便利だが、大きめの水筒で代用する手もある。
  • 電子レンジ:マキタの40Vバッテリー式電子レンジは、キャンパーや職人の間で人気。
  • ホットプレート:長時間の高熱を発する家電は、それに見合う電力供給手段が必要。

発電機&ポータブル電源の選び方

家電を使いたいなら、発電機やポータブル電源の導入を考えることになるが、それぞれにメリット・デメリットがある。

発電機の活用法

  • 長時間の電力供給が可能で、冷蔵庫やエアコンなどの高出力家電も使える。
  • 発電機用の燃料の管理が必要で、重量増が避けられない。
  • 稼働時の騒音が大きいが、船では気になりにくい。
  • 水冷式発電機なら騒音を軽減できるが、設置には艇体に穴を開ける必要がある。

ポータブル電源の活用法

  • 充電式で取り回しがよく、比較的静音で使いやすい。
  • ただし、大出力の家電には向かず、長時間使用には限界がある。
  • 充電時間や給電能力を考慮しないと、用途に合わない可能性がある。
  • パススルー充電対応かどうかを事前に確認することが重要。

電気がなくても快適に過ごせる?

キャンプ経験のある人ならわかると思うが、家電がなくても意外と快適に過ごせるものだ。しかし、文明の利器を活用すれば、より快適なアウトドア体験が可能になる。

自然のなかで自然のままをエンジョイするのもよいが、電力の恩恵を受けて趣向を凝らせば、自然の素晴らしさをより一層楽しめるという考え方もある。

そもそも自然の中に入っていくのに、キャンピングカーや船を使用している時点で、文明の利器を活用した上での自然体験なのだから。

そこで、発電機やポータブル電源の購入を考え始めることになるが、この2つの選択はよく勉強してからのほうが良い。

発電機なら稼働時の騒音や燃費、ポータブル電源なら充電時間と給電能力の指標やパススルー充電の有無をきちんと理解してから購入しないと、狙った結果は得られないことが多いようだ。

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