小型船舶(プレジャーボート)購入と維持の費用について

本ページでは、小型船舶購入と維持の費用についてすこし述べてみたい。船の購入と維持は、売買形式、係留方法やメンテナンスをどうするか、為替や物流のタイミングで、出費が大きく変動するので、あくまで参考程度に理解して欲しい。(費用以外で後悔の原因になりそうな事柄については別ページを設けてあるのでココをクリック)

『理屈コネ太郎』は随分まえに1級小型船舶免許を取得し、その直後に特殊小型船舶免許も取得した。

以来、2回更新したが、実際に船舶を操縦した事は免許取得以降は一度もない。

仕事も私生活も多忙だったし、経済力などの諸条件が揃わなかったから、14年位ペーパーキャプテンに甘んじていた。

しかし2020年からのコロナ禍で、また『理屈コネ太郎』の年齢も還暦に近くなって余生が短くなってきた事から、ボートライフを始める事にした。

2021年11月に、買う気満々で第1希望の船の代理店に行った。そこで、購入希望の船はその場でオーダーしても受取は2年先になり、更に10%位の値上げも覚悟して貰わないとならない…と告げられた。コロナ禍による工場操業停止や為替変動リスクが原因であるという。

更には、狙っていたマリーナは空き待ち希望者が何十人もいるらしく、いつ私の順番が回って来るか予測できない状況。コロナ禍のひきこもり生活下で考える事は皆同じなのだなあ。

第1希望の船であっても、2年も待つのはちょっとしんどい。2年待ったら本当に還暦だ。そこから初めてのボートを順調に運用する自信はない。

高齢者は残り時間が短いのである。

そこでもう少し船とマリーナの選択肢を広げて探索しなおしてみた。

その結果、恐らく2022年中に新艇が手元にとどきそうな良さげな艇と、係留開始できるマリーナを見つけることができた。

実際にはそのマリーナに艇を浮かべてからが、私のプレジャーボートライフが始まることになる。

それは恐らく2022年の晩秋になるだろう。

さて、実際にプレジャーボートを所有して運用して維持するには、船艇代、係留代、保険、燃料代その他にどれくらいの金額がかかるか、述べてみたい。

本稿では、こうした必要資金について出来るだけ正直に述べてみたい。一点注意して戴きたいのは、ここで提示する金額はあくまで1人で所有する場合であること。

複数人で所有・運用する場合はその人数分で割る事も可能だと思う。

また、本稿で提示する情報はあくまで『理屈コネ太郎』が集めた情報の範囲の話しであるので、違う地域、違う所有形態、違うマリーナで、違う係留形態で事情は大きく異なるかも知れない点にもご留意願いたい。

では、具体的に初めてみたい。

まずボートライフを開始するにあたって必要な費用は、①船艇代金、②各種保険料、③係留に関する費用、④燃料費であろう。以下、順番に説明しよう。

なにはなくとも①船艇である。新艇、中古艇、サイズ、エンジンのタイプと大きさ、艤装、その他設備(オートパイロット、レーダー、魚探とか)で金額の幅は0円~何億円くらいの幅は普通にある。

ボートライフのイニシャルコストを下げたいのであれば、廉価の船を探すのが一番効果的であるが、廉価すぎる船ではやりたかった遊びができないこともあるし、中古艇ではどんな落とし穴が潜んでいるかも分からない。個人売買の場合なら特に注意が必要である。

だから、購入艇の選定についてはとにかく情報収集が大切だ。ビビビって一目惚れした艇に出逢っても、この船を逃したら次のチャンスはもうない…なんて事はまずないので、じっくりと腰を落ち着けて情報収集しよう。

マーケットでは焦ってはいけない。これ以上はないって思える機会を逃しても、落ち着いて待っていれば同じ程度に良い機会は訪れるものだ。自分の中で相場カンが出来て、その上で納得する艇と出会うまでは、決断はしない方が良いと思う。

ま、とにかく。不動産購入と同じようにゆっくりと腰を落ち着けて知識を蓄えつつ良いモノを探すことだ。

国産艇、海外艇、新艇、中古艇と選択肢は多いが、現在(2022年3月)はコロナ禍による工場操業停止にせいで、とにかくマーケットにタマが少ないのが現実である。

このタマ不足現象は他の商品やサービスにも言えることで、米国や欧州では物価上昇が昨年あたりから顕著でインフレ状況である。

さて、めでたく確りした相場カンに基づいて納得して買いたい艇がみつかったとしよう。ここでは仮に艇長メートル(わかりやすくメートル表記にした)の新艇で船体と150馬力エンジン1基がけで、魚探+GPS+レーダー付きで仮に2000万円(税込)としよう。このスペックならなくはない金額だし2000万円なら話しが簡単だし。

次に②の各種保険。小型船舶の保険には色々な種類があるが、自動車保険における車両保険の位置づけである船体条項から説明しよう。

艇購入時の評価額(新艇の場合は購入額)から自己負担額(免責金額)を減じた金額の2%が船体条項の金額となる。新艇を2000万円、自己負担額を5万円とした場合、39万9千円。

加えて賠償責任条項(他者に損害を与えた倍の補償)が3万円。更に搭乗者傷害危険担保特約条項が6万円。捜索救助費用担保特約条項が0.8万円。

更にBANと呼ばれる緊急時の救出サービスがあって、入会金0.9万円、年会費1.62万円。

保険関連でザックリ60万円。

次に③の係留に関する諸費用について説明したい。ここでは、マリーナというプレジャーボート用の係留や整備修理等のサービスを提供する施設に船を置く事として話を進める。

マリーナという施設についての説明は別ページでしておいたので、”ココ”をクリックして一度目を通してね。

マリーナに船をおかない方法もあるにはある。

例えば、係留代だけ支払えば係留させてもらえる施設。盗難や暴風雨時の対応や故障修理などを念頭に置かないならわりと廉価の係留代だけで済むだろう。

また、トレイラーに船を積んでクルマで牽引するってやり方もあるにはある。この場合、場合によっては牽引免許が必要となるし、船を水に降ろしたり水から上げたりする度にランプと呼ばれる場所で体力と集中力を使う作業をしなくてはならない。ご参考までに動画を貼っときます⇒ランプ動画

日本の道路と住宅事情の現状を鑑みると、トレイラーに船を積んでボートライフを楽しむのは少々ハードルが高過ぎる気がして、おススメは出来ないかな。

さて、マリーナに話を戻そう。

希望のマリーナに空きがあれば申込もう。マリーナによって金額は大きく上下するが、ここでは契約料+保証金+年間使用料+施設使用料で大体500万円と設定する。次年以降は年間使用料と施設使用料のみなので、150万円としよう。これらマリーナ関連の金額は船の全長と全幅によっても変化する。

マリーナ選びも情報収集が大切である。マリーナによって価格はピンキリだから、自宅からの距離とか、やりたい船遊びが出来そうな海域の近くであるとか、色々な事を想定して検討する必要がある。

さて最後に④燃料代である。船外機使用の船なので燃料はガソリンである。マリーナでのガソリン代は市井のガソリンスタンドより高額である。ここでは、200円/Lとしよう。

船の燃料タンクが200Lであれば、満タンに4万円かかる。因みに、船のエンジンは時間当たりの燃料消費量を燃費と目安とするが、仮にこのエンジンが40L/時間の燃費であるとすれば、この船は無給油で5時間走行できる。

つまり、片道2.5時間。

仮に巡航速度を25ノット(1ノットは1.852㌔)とすると大体100㌔先にまで到達できる。

到達先で色々と遊んで余裕をもって帰港する事を視野に入れると、往路1.5時間、現地で1時間、復路1.5時間みたいな感じが安全なのかな?

なので、6~70㌔先の海に出かけて遊んで帰ってきて燃料代が3万2千円。陸置きなら更に上下架代もかかっちゃう。

あとは、色々な都度都度の出費がそれなりに在るだろうから初年度は燃料代(と上下袈代)別で2600万円位はかかりそう。

勿論、この金額は船を1人の個人で一括で購入した場合の話しなので、収入と相談しながら上手にファイナンスを組み合わせて船を入手すれば初期の出費を1000万円位には圧縮できそうである。

更に、人柄や人望に自信がある場合は、共同所有という技もある。

更に本業でウハウハ儲かっている法人であれば税金対策に船を所有する方法もあるし、その船を使って全然儲からないけど外形的には正当な事業を始めれば事業所得として損益通算したら節税になるかもしれない。

せっかくボートライフをエンジョイしようと決断した『理屈コネ太郎』ではあるが、コロナのせいで納艇は秋頃になりそう。(2022年3月記述)

はああああああ、待ち遠しい。

でも納艇まえに、レンタルボートかりて操船の運転とか、マリーナ内のルールとか、定置網の位置とか、東京湾内のルールとかを徹底的に頭に入れておこうと思っている『理屈コネ太郎』。

以上。

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