愛艇が進水20年以上の中古ヤマハフェスタ31である理由

わたし、理屈コネ太郎のヨットが前世紀に建造されたヤマハフェスタ31である理由は、美しいシャープな艇体で、セイリングに必要な全てが装備艤装されていて、ラダーがティラー方式で、セイリングには直接関係ない華燭な装備が全くないような、そして価格が現実的な、そんなヨットを探していたらそれがたまたまヤマハフェスタ31だったから。

このヨットが、理屈コネ太郎の好みに合っていたのは、セイリング、特にシングルハンドでセイリングするために作られたヨットだからである。

というのは全て後付けの理由。

理屈コネ太郎生涯最初のマイボートMerry Fisher 895 Sportの納艇が2022年11月。それに遅れること約6か月の2023年5月に納艇なった私のヨット

この艇を選んだのは、正直にいうとそのシャープな佇まいが美しかったからである。ただそれだけ。

ヨット未経験の私にはそれだけしか選ぶ根拠がなかった。

手元に来たフェスタ31は、その設計思想というか基本性能の素晴らしさに理屈コネ太郎は大変満足している。

本ページもいつものように理屈コネ太郎の管見内での独断と偏見による私見である旨を御銘記のうえお読み進めていただきたい。

前世紀にヤマハからフェスタ31が発表されたときのカタログを見ると、操船者は1人で十分なので、他の乗船者はパーティー気分で楽しめる…というようなちょっとチャラい内容だった。

ヤマハフェスタ31は、ラットと呼ばれ舵輪は方式ではなく、舵にダイレクトに連結されたティラーという棒状のものを操作するタイプ。

ラットはとても恰好がいい。ヨットといえばラットというくらい素敵なモノであるのだが、理屈コネ太郎はティラーも好きだ。

ティラーの良いところは、当てている舵の角度が、操作者は体感で、それ以外の乗船者は一目でわかるところ。

風やスプレーから回避するように低く身構える姿勢を自然ととれること。

船上での移動の邪魔にならない事。

構造が単純なので壊れる確率が低い事。

オートパイロットが簡単に装着できる、などなど多岐にわたるメリットがある。

また、ヤマハフェスタ31にはガンポッドというバウに収納可能な棒がついていて、これを前方に伸ばす事で、ジェネカーというパワフルなセイルを張ることができる。

船体にはほとんど窓がなく、セイルの状態をドッグハウス内から確認できる窓が天窓状に2つついているだけ。

この船を買うと決めたときにはヨットのヨの字も知らなかったので、既述したとおりシャープな佇まいを気に入って購入したが、今わかるのは、このヨットの設計者の意図は、この艇のカタログに描かれていたようなオシャレなパーティー用ヨットではなく、シングルハンドによるややレーサー側に振れたスピード感のあるセイリングを堪能するための艇なのではないかということ。

艇内は天井が低く直立して歩けない。常に背中を丸めるか、首をひねらないとならない。

キラキラした素敵な装飾はほとんどない。

そもそもヨット上のパーティーは、参加者がみなヨット乗りか、或いはよほどサイズの大きな艇でなければ素敵にならないと理屈コネ太郎は思っている。

しかし、セイリングだけに目的を絞った目線で艇内を見回すと、必要な品物を上手にオーガナイズできるようになっている(まだできていないが…)。

艇内は基本的に伽藍洞で、長期航海用の充分量の真水や食料を積載できる。また、航海用のウエアも幾種類かを揃えて収納できる空間もある。

くわえて、法定備品を揃えたうえで、大人一人が横になって就寝するスペースが余裕である。

ド素人が大洋を横断する(しないけど…)にために必要なシーマンシップを独学で習得するのに必要な素材が全てがそろっている素性の良さがこの艇にはある。

しかし、素敵に過ごすには全然空間が足りていないし、素材も樹脂が主体でキラキラ感がない。

素敵なヨットには、お洒落なギャレー(キッチンのこと)があって、お手洗いがきちんとした個室で、オーナー用の寝室を備えていて、そうなると40Ft以上のサイズで、十分な電力を供給できる大きいエンジンを積んでいて、目につくところの素材はウッドとかピカピカの金属とかでできている。

これはこれで別世界というか別次元というか、とにかく楽しいヨットライフが堪能できそうだ。

そうしたヨットに一度は招待されてみたい。

でも、ボートをすでに所有している理屈コネ太郎がいま求めるヨットとは、とにかく純粋に基本にまっすぐなヨットである。

でも、ディンギーとかは沈するので乗ってるのが辛いし、夢見ているいつか行く水平線の向こう側への旅路の相棒として十分な大きさも欲しい。

因みに、ボートの方は想像できる水辺での遊びは全部やってみちゃおうって思想の設計(と理屈コネ太郎は勝手に思っている)なので基本的に快適かつ俊足で、巡行20ノットくらいで海上を移動できる小さな家みたいな感じ。

クルマでいうと、ちょっと内装を素敵キャンパー風にして、ショックを良いモノに換装して走り方向作りこんだSUVみたいな。

居住もまあまあ、積載もまあまあ、で目的地に向けてドッカーンと行くぜ!みたいな。

一方、ヨットは…というと。

ハナシは飛躍するけど、サーフボードってカッコいいと思いませんか。あのシェイプ。流線形で非常に美しい。

自然現象だけを推力にする乗り物(?)は、みな共通する美しさを持っているような気がする。

その共通する美しさを物理的サイズで一番わかりやすくしたのが、ヨットであり、グライダー、ハイドロフォイルボードであったり。

これらのうち日常生活にやや近く、かつ死亡リスクがすくないのがヨット。

そんな風に理屈コネ太郎はヨットをとらえている。

シャープな佇まいが美しく、セイリング以外の機能は最小限で、だけどどこまでも連れていってくれそうなヨットを探していたら、約20年前に進水したヨット、ヤマハフェスタ31に導かれるようにたどり着いた…って感じ。

と、愛艇がヤマハフェスタ31である”あとづけの”理由を述べてみました。

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