人生は「賭け」の連続だ。そして、多くの人が目指す「長期的な勝ち」を、ここでは「成功」と呼ぶことにする。本記事では、成功の鍵を賭けの視点から確率論的に考察する。
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成功の鍵は4つの要素
成功を賭けに見立てると、重要な要素は次の4つに集約される。
勝率、リターン、賭金、試行回数
これらを正しく理解し、勝負の時において正しく評価して戦略的に活用することで「成功」に近づける。
賭けが成立する条件
賭けが成立するには、参加者が互いに異なる予測を持っている必要があります。たとえば、株式市場では「値上がりする」と考える買い手と、「値下がりする」と考える売り手が揃うことで取引が成立します。
同様に、賭けにも「反対の立場をとる人」が必要です。この条件を満たして初めて、賭けが成り立ちます。
賭けの3つのパターン
賭けの期待値Eは、「勝つ確率P」と「リターン R」を掛け合わせた P×R =Eで計算されます。たとえば、50%の確率で10000円をリターンとして得る事ができる賭けがあったとしましょう。このこの賭けへの参加費が2000円であれば、この賭けの期待値は5000円ですから、この賭けは下記の3の賭けに分類されます。では、参加費2000円で10%の確率で20000円をリターンとしてもらえる賭けならどうでしょう。参加費2000円、期待値2000円で、下記の2の賭けに分類されます。では、0.00001%(1千万分の1)の確率で一億円あたる賭けがあり、この参加費が1000円だとしましょうF=千円, R=一億円、P=0.00001%(1千万分の1)の賭け、たとえば宝くじみたいなのがそうです。さてこの賭けの期待値を計算するとE=P×R=10円となり、下の1に分類される賭けです。
- F > E=P × R(賭ける人に不利な賭け)
賭金が期待値を上回るため、長期的には負ける可能性が高い賭けです。
例:宝くじやカジノ - F = E=P × R(均衡した賭け)
賭金と期待値が等しいため、長期的には勝ち負けがトントンになる賭けです。 - F < E=P × R(賭ける人に有利な賭け)
期待値が賭金を上回るため、回数を重ねるほど勝つ確率が高まる賭けです。
3番目のパターンの賭けこそがが、成功に近づくための鍵となります。そのためには、目の前に広がるビジネスチャンスをキチンと精査&評価して、欲に眼を眩まされずそれが有利なものかを見抜く目利き能力が必要なのです。
ちなみに、だいたい人が持ってくるビジネス話は大抵は1のパターンです。
各パターンの詳細
1. 不利な賭け(F > P × R)
このタイプの賭けは、胴元が利益を得る仕組みで成り立っています。最近では胴元という言葉を知る人が少なくなりましたが、いまでも通用する概念ですので、きちんと知っておいた方がよいでしょう。
宝くじはその代表例で、参加費(賭金)が期待値を大きく上回ります。主催者(胴元)が確実に利益を得るように組み込まれているのです。
2. 均衡した賭け(F = P × R)
賭けとしては公平ですが、長期的には収支が均衡します。こうした賭けでは、タイミングよく「勝ち逃げ」するのが重要です。ただし、胴元が開帳する動機が極めてうすいため、こうした公正なタイプの賭けはあまり存在しません。
3. 有利な賭け(F < P × R)
投資や新しいビジネスに多いパターンです。期待値が賭金を上回るため、試行回数を増やすことで勝つ可能性が高まります。このタイプの賭けを見つけることが、成功への第一歩です。
とはいえ、ポッと出の新人がこうした好機に出会う事は稀です。なかには、ポッと出の新人を狙って3のビジネスにみせかけて、実際は1のもうけ話を持ってくる悪い人がいたりしますが、そういうFakeな人は基本的に信じてはいけません。
3のビジネスは、自分が時間をかけて自分自身でみつけるか、あるいはそういう状況を周囲の信頼を勝ち得ながら作り上げていくものなのです。
起業と賭けの関係
起業は、典型的な「F < P × R」の賭けだと言えます。ただし、成功するためには以下を心がけるべきです:
- 資金に余力を残し、複数回挑戦できる状態を維持すること。
- 一度の失敗で立ち上がれなくなるようなリスクは避けること。
インターネットでのビジネスの可能性
ブログやYouTubeなどのネットビジネスは、低コストで始められるため、期待値がプラスになりやすい分野です。試行回数を増やしやすい点も、成功を目指す上での大きな利点と言えます。
成功への行動指針
- 有利な賭け(F < P × R)を見つける
または、自ら作り上げる努力をすること。 - 試行回数を増やす
失敗しても再挑戦できる仕組みを整えること。 - 長期的な視点を持つ
短期的な結果に一喜一憂せず、持続的に挑戦を続けること。
「成功」とは、合理的な賭けを繰り返し挑むことで、その確率を高めていくプロセスです。本記事を通じて、成功の仕組みを改めて考えてみてはいかがでしょうか。
今回は状です。