最近始めたSUP-FOIL(特にパドル&パンピング)はそもそも難易度の高いスポーツだ。ちょっとやそっとでは出来るようにはならない。ビギナーズラックはまず起きない。そこそこのフィジカル、バランス感覚、技術が要求される。だから、毎日に近い頻度で練習するのが早道だ。練習のたびに少しずつ進歩しているのが分かるのが嬉しい。
過日、晴れて風のない日に、セミドライスーツを着込み、愛艇にSUP-FOILボードを乗せて練習に最適なフラットウオーターに近い海域にまで行き、そこで、愛艇をアンカリングしてSUP-FOILを練習していた。
夢中になって練習していたが、ふと気が付くと愛艇のアンカリングが効いておらず、風で流されて陸に接近していて、このままでは岸壁に衝突しそうだ。SUP-FOILが上手ければ、ススススウと愛艇に近づけるのだが、まだまだそのレベルのスキルには到達していない。
このままでは、愛艇が岸壁とぶつかってしまいそうなので、急いで船に戻りたいがSUP用のシングルブレードのパドルが邪魔でボード上にうつ伏せして両手でパドリングが出来ない。パドルを右に左に操作して、なんとか愛艇に辿りついて運転席に座り、SUP-FOILボード(以下、ボード)を艇の上に取り込んでいるうちに岸壁に衝突しそうなので、海上に置いたまま牽引しつつ愛艇を安全な場所まで移動させようと思って、ふと気が付いた。
SUP-FOILボードは軽く水面での移動が予測不可なので、リーシュコードがスクリューに巻き付いて大変な事になるかもしれないし、ボードがスクリューによって傷つけられてしまうかもしれない。そこで、苦肉の策として、SUP-FOILボードをそこに放置して、愛艇を安全な場所に移して再度アンカリングしてからSUP-FOILボードを回収する事にした。
愛艇を安全な場所に移動してアンカリング完了してからボードをみたら、軽いボードは結構な距離を流されていた。船から150メートルくらい離れてしまった。ここで少し気持ちが折れたが、自分自身で回収しないわけにはいかない。
だって、他に誰もいないのだから。
ダイビング用のマスクとシュノーケルを付けて、また水掻きがついている手袋をはめて(今思えばアシにフィンもつけておけばよかった。あるいは水中スクーターを事前にスタンバイさせておいて、それで駆けつけるとか、準備すべき事、対応できた方法はあった)、愛艇から飛び込んでボードを回収しに向かった。この時の泳ぎがかなりハードだった。セミドライを着ていたので、浮力の心配をせずに済んだのが救いだ。
途中泳ぎをやめて顔を水面にあげてSUP-FOILボードを探して泳ぐ方向を修正するのだが、ある時からボードが何処にも見えなくなった。物陰に隠れたのである。とにかく必死の想いでボード探しだして何とかボードまでたどりついた。
ボードの上にのり、両手でパドリングして愛艇にまで戻るのだが、この作業も青息吐息でえらい疲れた。ボードの上に腹ばいにのって両手でパドリングするのだから、結構はやく愛艇にまで戻れたが、いやマジで疲れた。
その次の難問は、SUP-FOILボードを愛艇の上に引き上げる作業である。ヘロヘロに疲れた身にはこたえる作業であったが、この作業は何度も経験があるので、ある程度要領が分かっているから、それなりに何とかなった。
愛艇の上にSUP-FOILボードを回収して、一息つくと軽い吐き気に襲われた。色々な事の予想外の展開に体力もアタマも気も遣ったので神経がすこし参ったのだと思う。
取り敢えず、愛艇のデッキで横になり、目をとじて心身の落ち着きを取り戻そうと努力する。
3~4分して息がととのい、気分がマシになったので、愛艇をホームマリーナに向けて発進させる。さほど遠くない場所なのですぐに到着。着岸しロープを舫って真水の船外機内の冷却水路をフラッシュしはじめて、やっといつもの自分に戻れた。
自分の船にSUP-FOILボードを積んで練習海域に行ったり、陸路からは生きにくいビーチに海路からアプローチしたり(詳細はココやココをクリック)、他の人がやっていない遊びをしていると、とにかく自分で実践してその中から教訓を拾って次回に教訓として生かしていくしかないので、体もアタマも気持ちも結構つかれる。いや、本当にヘトヘトになる。
だがこのヘトヘト感が、手ごたえというか充実感があって大変に宜しい。
今回は以上。
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