上司や教師に「医者に行け」と言われたら

結論から先に言うと、「自分の意思ではなく、職場や学校から受診を指示された」旨を、問診票を記載する時や、医者が「今日はどうしました?」とか言ったときに明示した方がいい。

要するに、指示されたから(仕方ないから)受診したのであって、自分自身の問題意識が小さいということだから、それは医師に伝えた方がいい。

理由はいくつかあるが、第一に現在の医療は受診者本人の意思を最大限に尊重(たとえそれが形式的にすぎなくても)する倫理的・法的な義務を負う事が挙げられる。

本人が本当は受診を希望していないのであれば、あまり診察や検査に時間と費用をかけるべきではない。

第二に、本人の問題意識が小さいということは、受診者本人の体調不良がそれほど大きな苦痛を伴っていないと推察できるからだ。

咳とか頭痛とか下痢とか、症状があるにはあるが、受診者本人はそれほど悩んだり苦しんだり心配したりしていないのだ。

初めてその受診者を診察する医者の問題意識は、なぜその受診者が病院に来たのか?この1点にのみ集中している。

身体のどの部分に、どういう症状が、どれほどの強さで感じられるのか? そしてそれが受診者の日常生活にどのような支障を与えているのか?

そういう、受診者が受診する合理的な理由を医者は探している。

会社や職場から指示されて受診した…というのは、医学的には全く不合理だが、社会に生きる人間としては合理的である。

社会人や学生なら、会社や学校から指示されたら、それに従うしかない。受診者からすれば合理的な理由なのだ。

そして実は実質的にはサラリーマンであったり、個人店主である医師にだってその合理性は十分に理解できるはずだ。

きちんと社会性を身に着けた医師なら、受診者のその立場を理解したうえで、その前提から出発して診療を組み立てる筈。

だから、「本当は自分の意思で受診しているわけではない」って事は明示した方がいい。

医療機関も受診者自身も、余計な時間と費用を省く事ができるし、ストレスを軽減できる。

今回は以上。

今回は以上。

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