自分の終末期を自分で決める時代へ|延命より尊厳を選ぶという選択

人生の終末期がこのパリの夕方の様に美しくありたいものです。
人生の終末期はこのパリの黄昏の様に美しくありたいものです。

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「死」は唯一確実な未来

人は必ず死にます。死亡率は99%ではなく、100%です。これほど確実な未来が他にあるでしょうか。

ところが、多くの人がその確実な未来に対して無防備です。人生の最終段階、つまり「終末期」にどう向き合うかを考えず、流されるままに延命措置や介護医療に委ねてしまう。それで本当に後悔はないでしょうか。


生と死は一対の現象ですが、大きな違いがあります

生まれることも死ぬことも、人間にとって不可避な出来事です。生と死はまさに表裏一体の現象といえます。
しかし、そこには決定的な違いがあります。

生まれることは自然なようでいて、実は「人為的な出来事」の結果です。生物学的な両親の性行為という行為がなければ、誰も生まれません。

一方、死は人為的でない限り(事故や自殺などを除けば)自然現象です。心臓が止まり、呼吸が途絶え、やがて細胞が静かに終わっていく。とても静かで、抗えない流れの中にあります。

つまり、生は「始まりを選べない人為」であり、死は「避けられない自然」なのです。


昔は恐怖だった「死」──では今は?

かつて死は恐怖の対象でした。疫病、戦争、貧困、私刑。突然命を絶たれる人が大勢いた時代では、死について語ること自体が忌避され、タブーとされていました。

しかし現代の日本では、多くの人が85歳近くまで生きます。30代や40代での死は依然として恐怖の対象ですが、超高齢になってからの死は、もはや「恐怖」ではなく「解放」であることも少なくありません。

当人にとってだけでなく、支える家族にとっても、それは安堵や受容の対象であることさえあるのです。


死に方を考えることは、生き方を考えること

「どう死ぬか」を考えることは、「どう生きるか」を問うことでもあります。

終末期において、自分らしく過ごす時間を確保するためには、知力や判断力がしっかりしているうちに、死に際をどう迎えたいかを考えておく必要があるのです。

もし、死の間際まで「自分の意志で選択した生き方」を貫きたいのであれば、今この時点で、医療・介護・家族への意思表示を準備しておくのが、もっとも合理的で人間らしい在り方でしょう。


「延命してでも生きてほしい」という善意の罠

多くの家族は、高齢の親や祖父母に「いつまでも生きていてほしい」と願います。それは愛情に根ざした自然な感情です。

しかしその愛情が、当人が望む死に方や、尊厳ある終末期を阻害しているとしたら──
知らず知らずのうちに、「人生の卒業の機会」を奪っているのかもしれません。


最後の15年が「生き地獄」にならないために

現実には、多くの人が70代後半から90代まで、要介護状態で15年近くを過ごします。歩けず、食べられず、会話も困難になり、自分の意思で判断する力も失われる。

自分らしさを保てない期間を15年も生きることは、本当に幸せでしょうか?

もちろん、衰えても生きる意志を持ち続ける人もいます。その姿は尊いものですし、それを支える家族もまた美しいと思います。

でも、「自分らしく生きられない時間が始まる前に、自らの意思で終末期を準備する」という考え方があってもいい。
それは「死にたがり」ではなく、「生き様を貫いた結果としての死の迎え方」なのです。


自分の最期を、自分で設計する

今や、超高齢者もインフルエンザや肺炎の予防接種を受け、最新のコロナワクチン接種対象にもなっています。医療技術は寿命を延ばしてくれるけれど、その延長が「自分らしさ」を支えてくれるとは限りません。

だからこそ、延命よりも尊厳を選ぶ生き方が見直されているのです。

  • 延命治療をどこまで受けるか

  • 人工呼吸器や胃ろうの導入をどう判断するか

  • 在宅で最期を迎えるのか、施設や病院を選ぶのか

  • 自分の死後の希望はどう伝えるか

こうした問いに向き合うことが、「自分らしく生き切る」ことにつながるのです。


理屈コネ太郎の結論

生と死は一対の現象ですが、その間には明確な違いがある。
人の誕生は人為的な結果であり、死は自然の必然である。

だからこそ、必ず訪れる「死」に向けて、合理的に準備を進めるのが、人間らしい営みではないでしょうか。

死はいつか必ずやってくる──ならば、自分にとって最も納得できる形で迎えたい。
それが、最近の『理屈コネ太郎』の考えです。


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