本ページでは、わたくし理屈コネ太郎が最近愛艇に導入した航行時の揺れと叩きの対策、Seakeeper Rideとその効果について記述したい。
以下いつものように、本ページに記述する内容は理屈コネ太郎の管見内の独断と偏見による私見、即ち知ったかぶりとご銘記のうえ読み進めて頂ければ幸いである。
別ページでも記述したように、航行中の小型船舶の乗り心地はお世辞にも快適ってわけにはいかない。
航行時の揺れとそれによる海面との衝撃はガンガン、ダンダンと、結構激しい。その衝撃の激しさに、初めて乗船したゲストは、船体が破損するのではないか…と怖がる程だ。
小さな子供にはちょっと堪えられないかもしれない。
しかし勿論、信頼できるメーカーが製作した船体は、その程度では壊れない。
船は壊れないが、衝撃は乗っている人間の身体と心理になかなかの疲労を与えるものである。
疲労が蓄積しては、せっかくボートで行った目的地で遊ぶ体力がなくなってしまう。
航行中の船の乗り味に自分が辟易して、あるいは喜ばせようと思っていた子供達に背を向けられ、せっかく購入した船から足が遠のくのは、よく聞く残念なハナシだし、理屈コネ太郎の実体験からも、そりゃそうだろうなぁ…というハナシである。
おそらく、他の要件(例えば十分に広い室内居住空間)を度外視すれば、波への衝撃を緩和する船体形状はあるのだろうし、それに近い船体形状を持つ船への乗り換えも選択肢ではあるのだろうが、愛艇紹介のページで述べたような理屈コネ太郎が船に求める要件を考えると、愛艇Merry Fisher 895 Sport以外は今のところ考えられないのである。
とはいえ、航行中の忌々しい衝撃をそのまま放置して受け入れるのもなんだか面白くない。
と思っていたところで、You Tubeでこの動画を見つけた。いいなあと思っていたら、横浜のボートショーでSeakeeper代理店と知己を得た。
そこで思い切ってSeakeeper Rideの愛艇への導入を決めたのである。
ファーストインプレッションは初乗りの印象にある通りだが、その後の積み増しした印象を本ページでは記述したい。
その後、約2週間、Seakkeper Ride装着後の愛艇を色々と乗り回して、以下の事に気がついた。
①Seakeeper Rideは自動制御がオフ(正確にはManual、普通のトリムタブと同様にタブの角度が基本的に静的な状態)でも、取り外した以前のトリムタブに比べて揺れが少なく、叩く回数が減少し、プレーニングに速く到達する。
②自動制御のオン(正確にはAuto、瞬時かつ自動でタブ相当部分の角度が電子制御されるモード)にすると、何拍か遅れて、場合によって数秒くらいして、揺れと叩く頻度が更に減少し、プレーニングに到達するのも更に早くなり、自動制御の効果を実感できるるようになる。
総じてSeakeeper Rideはかなり効果があり、長時間航行の疲労が確実に軽減できるし、その副次的産物として、常用速度が上がり、加えて操船する歓びも増加する。
ところで、Seakeeper Rideはなぜオフ(Manual)でも、それまでのトリムタブより揺れや叩きを減少させるのかについて考えてみた。
以前のトリムタブ(写真1)と、Seakeeper Ride(写真2)の、愛艇のスターンに取り付けた状態の写真を見比べて欲しい。
見比べてわかるのは、Seakeeper Rideの方が横幅が長い事。そして部品と取り付け部位の強度が高そうな事である(写真3)。
通常型のトリムタブは、横幅が短く、タブ板はダンパー?アクチュエイター?の一点支持だけなので、水流を受けたときに、タブ板が歪んで効果が減じているのかも知れない。
つまり、Seakeeper Rideのトリムタブとしての基本機能が通常型のトリムタブよりも優れている…と理屈コネ太郎は見ている。
理屈コネ太郎は以前のトリムタブで愛艇を一年半乗り回した体感と、Seakeeper Ride装着後オフ(Manual)の時の乗り味の体感は、かなり違う。Seakeeper Rideでは揺れが減少して着水がマイルドで、プレーニング到達が速い。
そこでトリムタブとしての機能が優れているSeakeeper Rideの自動制御をオン(Auto)にしたら、更に揺れが例のYou Tube動画のように瞬時に減少すると期待するが、我が愛艇の場合には残念ながらそうはならない。
愛艇Merry Fisher 895 Sportの場合、オンにして何拍かして、もしかしたら数秒ぐらいして「揺れ少なくなったね、叩かなくなったね」と乗り手が感じ始めるようになる。
このラグが発生する理由は恐らく、艇の質量、特にバウ周辺の質量の差に由来している…と理屈コネ太郎は推察している。
You Tube動画ではデモ艇が軽量なセンターコンソール艇である一方で、理屈コネ太郎の愛艇がキャビンクルーザーなので、構造とサイズによる大きな質量の違いがある。
動画のセンターコンソール艇は、我が愛艇よりも小さく、特にバウ周りの慣性が小さそう。加えて船外機を2機掛けしているから、ピッチは船尾を中心に発生(動画で確認してね)し、軽いバウ(でも艇にはバウスラスターが付いてないかも)が大きく揺れる。
そこにSeakeeper Rideの自動制御の効果が加わるので、動画ではオンによって慣性が低いバウのピッチ運動が瞬時に劇的に減少するのだろう。
この動画を念頭において、理屈コネ太郎の愛艇のような重い艇への効果を想像していると、アレ?ってなる。
だから重い、特にバウが重い船に装着した場合に、オン/オフの違いは、試乗的に短時間乗るだけではなかなか体感できないかも知れない。
しかし半日~1日かけて、あっちこっち海上散歩や海上疾走(最高速トライも含めて)をやると、これは違う!めっちゃラク!って確実に実感できるのだ。
Seakeeper Rideをオンにしなくては、ちょっとこの海面をこの速度では連続して航行するのは苦行だなぁ~と感じる場面に幾度も遭遇する。
ところで、マリーナを散策しながら陸置き艇を観察すると、殆どの船外機艇にはトリムタブが装着されている。
新艇で船を購入するときから、トリムタブが装着されている艇も多い。
因みに、愛艇Merry Fisher 895 Sportも納艇時からのトリムタブは装着されていたが、これは基本的にはオプションであり、装着しない選択肢もある。
その意味で、レーダーや魚探、GPSと同じだ。であるにも関わらず殆どの船外機艇で装着されているのは、マリーナ係留契約時の全長の規定に関係しているのかもしれない。
少し話が逸れた。元にもどそう。
で、これらのトリムタブが、大抵の場合、Seakeeper Rideよりも幅が狭く、タブ板の強度も低そうなのである。
もしかしたら、本当にもしかしたらだけど、もっと幅広でタブ板強度の強いトリムタブを装着するだけで、船外機艇の乗り味をマイルドかつ素早くプレーニングするように出来るようになるかも知れない。操船が愉しい艇に変える事もある程度できるかも知れないなあ…なんて思っている。
勿論、この場合Seakeeper Rideのような、瞬時かつ自動的な制御はできないが。
Seakeeper Rideの場合、幅広で強度の高いトリムタブ効果に加えて電子制御によるタブ角度の瞬時かつ自動調節による効果は、軽い艇であるほど素早く、重い船であっても数拍から数秒ほどで、その効果を実感できるほど揺れや叩きが少なくなるのは、海上で疾走したい理屈コネ太郎のような人間にとっては何よりも有難い。
全てを後ろに置き去りにする程のスピードは、恐怖ではあるが、同時に夢のように甘美な気分も味合わせてくれるから。
Seakeeper Ride、優れた効果を発揮する実に素晴らしい機構である。愛艇に導入して良かったと、海上で疾走するたびにそう思う。
仮にもし今後新しい船に乗り換えるような幸運に恵まれたとしたら、その時は最初からSeakeeper Rideを装着しようと思っている。
今回は以上。
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