「葬送のフリーレン」にネットフリックスで出会い、かなり衝撃を受けた。設定の斬新さ、物語世界の静かな美しさ、登場人物たちの動機や心理についての納得度の高い描写。そしてそれにマッチしている絵柄。本当に素晴らしいと思った。
アニメが終了してから、原作である漫画を読み始めた。アニメ化による悪しき改変は私には感じられなかった。
僅か数十年の寿命しかない人類と、千年単位で生きるエルフ種(作中では魔物の対義語として人類という用語が用いられているようで、エルフ種も人類の大枠に含まれている模様)である主人公フリーレンとの、不思議な心の交流が、絶妙な描写で描かれている。「私は彼を愛していた」のような説明的セリフなどはなく、表情や行動などから、心の奥底にある信頼や慕情が読者に伝わって、なんとも味わい深い作品だ。
ビッグイベント後の変質した世界を舞台にした作品には「北斗の拳」が有名だ。最終戦争以降を描いた「北斗の拳」は暴力が支配する混沌とした世界を描いたが、それはマッドマックスの舞台設定を大幅に取り込んでいてやや新規性は低いと思う。
一方「葬送のフリーレン」は勇者一行が魔王を退治して秩序と平和を取り戻した世界を描いていて、かなり新規性の高い独自の設定だと思う。ほかにこういう設定を考えたクリエイターってたぶんいないのでは?(2018年に「勇者ご一行の帰り道」という作品が発表されていた。これから読む!)
数十年前に主人公がかつてメンバーであったパーティーによって魔王は倒され、平和と秩序を取り戻した世界ではあるが、魔物の残党達がいまだに混乱と災厄を引き起こすので、主人公がリーダーを務める現在のパーティーは、行く先々で魔物の残党を討伐する。そして人類社会の主導権争いや権謀術数とも関わらざるを得なくなっていく。
恐らく主人公はその長寿ゆえに現在のパーティーとも死別する事になるのだろうが、かつての師匠や仲間たちとの死別や回想を考えると、主人公が受け止めなくてはならないロスの大きさに眩暈がしそうだ。
まだ完結しておらず、展開が待ち遠しいが、たとえこの先にグダグダな展開になろうと、現時点ではかなり面白い漫画である事は間違いない。未読の人は是非、「葬送のフリーレン」を観たり読んだりして欲しい。
今回は以上。
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